高野山会議とは

「高野山会議」は、科学・芸術・哲学・宗教などの異分野の専門家、さらには自治体や地域の皆さまの協力により、1200年後を見据え、人間性、倫理観ある人類のありかたについて対話を通して議論し、形にし、実践するとともに、このような活動を世界遺産である「高野山」から世界にむけ発信する活動の「場」です。

私たちは、科学や技術から多くの恩恵を受け、今の社会を築き上げてきました。一方で、自然に大きな負荷をかけた結果、気温上昇による異常気象、資源の枯渇、さらにはエネルギーの問題をはじめとする地球規模の課題を生み出しました。この原因の1つは、私たちの自然に対する考え方によるもので、人が自然を制御するという、人を中心(Human-centered)として自然を捉えてきた点にあると思います。一方で、人も自然の一部であり、自然と共に生き、そして生かされているという考え(Nature-centered)も私たちの心の奥底にあるのではないでしょうか。多様な人々、そして多様化する社会においては、最適な1つの答えを出すだけではなく、場に応じた多様な答えを出していくことが求められています。弘法大師空海は、世の中には無駄なものはなく、あらゆるものに価値や意義があり、それぞれの関係において宇宙が成り立つことを教えてくれます。そして、その思想が1200年にわたり持続的に受け継がれてきた場が高野山です。科学、芸術、デザイン、哲学、そして宗教など多様な分野に関わる人々が集い対話し、人間性と倫理観ある未来、1200年後の世界を考え、形にする舞台として、高野山はすばらしい場です。未来の形を皆さんとともに先端研は「高野山会議」として世界に発信していきます。

高野山会議プロモーションビデオ・ポスター

「高野山会議」プロモーションビデオ(5分)

「高野山会議」ポスター

「高野山会議2024」

7月10日(水)から13日(土)まで、高野山金剛峯寺、高野山大学にて開催されます。

最新情報

お問合せ:
東京大学先端科学技術研究センター先端アートデザイン分野 日根・近藤
hine.kagari(at)aad.rcast.u-tokyo.ac.jp、secretary(at)aad.rcast.u-tokyo.ac.jp

「高野山会議2023」の紹介
「高野山会議2023」は、高野山金剛峯寺と高野山大学を舞台に、7月13日~16日に開催され、「高野山会議」の意義をさらに広く浸透させるとともに、本会議を一般公開としより多くの皆さまにご参加いただけました。また、高野山近隣の橋本市とかつらぎ町との連携協定を本会議期間中に締結することができました。澤和樹先端研フェロー(前東京藝術大学学長)率いる澤クヮルテットの特別演奏会、企業が主導する宿坊での「宇宙」、「まちづくり」、「包摂社会」をテーマとした分科会を加えるほか、エクスカーションでは、首長にもご参加いただき地域との交流を深め、地域共創を考えることもできました。参加延人数は、約2000人となりました。
「高野山会議2023」パンフレット
「高野山会議2023」報告書
「高野山会議2023」ビデオ(7.5分)
「高野山会議2023」ビデオ(2分)
「高野山会議2023」 オープニング(YouTube)

会 場
高野山金剛峯寺

和歌山県伊都郡高野町高野山にある高野山真言宗の総本山の寺院。

高野山は和歌山県北部、周囲を1,000m級の山々に囲まれた標高約800mの盆地状の平坦地に位置します。100か寺以上の寺院が密集する日本では他に例を見ない町です。

高野山大学
高野山大学は、835年(承和2年)に朝廷より真言宗後継者育成制度を認定されたことに始まりを持つとされています。
松下講堂黎明館は1965年に故松下幸之助氏の寄付により建てられた旧松下講堂を建て替え、2006年新たに完成したものです。1,000人規模の講演会やシンポジウムができるホール、瞑想室などを備えた多目的ホールです。

スケジュール 概要報告
DAY1:7月13日(木)

開会式

開会式での声明
会場:金剛峯寺新別殿

ホスト挨拶

金剛峯寺執行長・高野山真言宗宗務総長 今川泰伸

セッション01
和の芸術とデザイン THINKING WITH NATURE

会場:金剛峯寺大会議室
オーガナイザー:伊藤志信(東京大学先端科学技術研究センター特任准教授)
登壇者:中川周士(中川木工芸・比良工房主宰(木桶職人) )
Rossella Menegazzo(ミラノ大学准教授、AADアドバイザー )

木桶デモンストレーション

実演:中川周士
会場:黎明館

高野山会議2023 公式レセプション

会場:高野山大学 黎明館ロビー
ホスト挨拶
和歌山県知事 岸本周平
金剛峯寺第524世寺務検校執行法印・高野山大学長 添田隆昭


DAY2:7月14日(金)

朝のエクスカーション

根本大塔-壇上伽藍

セッション02
インクルーシブデザイン

会場:金剛峯寺大会議室
オーガナイザー:伊藤節(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)
登壇者: 並木重宏(東京大学先端科学技術研究センター准教授)
蓮見孝筑波大学・札幌市立大学 名誉教授 筑波大学・札幌市立大学 名誉教授 )

高野山麓エクスカーション
コースA 橋本市高野口
・ 高野口小学校(重要文化財)視察及び意見交換
・ 妙中パイル視察
・ 旧葛城館(登録有形文化財)視察

高野山麓エクスカーション
コースB かつらぎ町天野
・ 丹生都比売神社
・ 交流会 地域交流センター「ゆずり葉」
・ 講話およびワークショップ

澤クヮルテット特別演奏会
会場j:金剛峯寺新別殿
演奏:澤クヮルテット
曲目:A.ウェーベルン  弦楽四重奏曲(1905)、L.v.ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番 Op.130「大フーガ付き」


DAY3:7月15日(土)

セッション03
次世代育成~STEAM 教育と芸術環境創造~

会場:金剛峯寺大会議室
オーガナイザー:近藤薫(東京大学先端科学技術研究センター特任教授 )
登壇者:小森輝彦(声楽家、東京音楽大学教授、東京音楽大学付属高等学校長 )
新井鷗子(横浜みなとみらいホール館長、東京藝術大学客員教授 )
奥田久栄(株式会社JERA代表取締役社長 CEO兼COO)

コンサートシリーズ meets

会場:金剛峯寺本坊
演奏:東京フィル弦楽四重奏団
曲目:A.ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番 Op.96「アメリカ」

分科会

分科会A 宇宙とテクノロジーとデザイン 会場:恵光院
分科会B 自然と共生するまちづくり~里山から聖域 ・ 霊場まで~ 会場:報恩院
分科会C 包摂社会のためのコデザイン 会場:金剛峯寺

セッション04
高野山のまちと人

オーガナイザー:吉本英樹(デザイナー、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授 )
登壇者:山口文章(学校法人高野山学園法人本部長)
小泉秀樹(東京大学先端科学技術研究センター教授 )
浦井亮太郎(東京大学先端科学技術研究センター 小泉研究室D3)


DAY4:7月16日(日)

セッション05(高野山大学提供講座)
瞑 想:自然と一体化した境地
会場:大師教会大講堂
オーガナイザー:神﨑亮平(東京大学名誉教授 東大先端研 シニアリサーチフェロー )
登壇者:松長潤慶(高野山大学副学長・教授)
乾龍仁(高野山学園顧問)
藤原和博(富士通株式会社 デザインセンター クリエイティブディレクター/チーフデザイナー )
中上淳貴(東京大学特任研究員 )
特別出演:岸本周平(和歌山県知事)、小泉悠(東京大学先端研准教授)

クロージング

智辯学園和太鼓パフォーマンス

会場:黎明館

高野山宣言
いま時代は大きく動き、自然環境と人間社会はそのかたちを変えつつあります。そのような時代にあって、多様な人々の安寧と幸福には、個性豊かな感性と理性、そして倫理性をもって、一人ひとりが協力し共存できる社会を構築し、持続させていくことが大切です。そのような社会の実現に向け、わたしたちのこれからの在り方、そして未来のすがたを考え、かたちづくるため、ここに「高野山宣言2023」を宣言します。

クラシックコンサート
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる弦楽合奏
曲目:伊福部昭 『日本組曲』より 盆踊り
O.レスピーギ リュートのための古風な舞曲とアリア第3番 ほか

高野山会議関連活動

橋本市との連携協定式

日時:2023年7月14日(金)
会場:橋本市高野口小学校

写真:平木哲夫市長と杉山正和所長

かつらぎ町との連携協定式

日時:2023年7月14日(金)
会場:丹生都比売神社

写真:中阪政則町長、神﨑亮平、杉山正和所長

東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる学校訪問コンサートの開催
日時:7 月13 日(木)10 時45 分開演
会場:高野町立高野山小学校・体育館


「高野山会議2022」

2022年の「高野山会議2022」は、先端研および高野山大学の教員主導型の複数のセッションに加えて、東京フィルハーモニー交響楽団が地元の小学校や金剛峯寺など様々な場所でコンサートを行った他、先端アートデザイン分野社会連携研究部門の連携企業各社による公開討論、高野山内外エクスカーションなどを新たに設けました。

「高野山会議2021」

2021年11月に第1回「高野山会議2022」を開催し、高野山の開創1200年を数えることにちなみ「1200年後の未来を考える」を合言葉に、先端研の教員、高野山の僧侶、高野町長をはじめ有識者と多様なセッションを展開し、東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる特別演奏も行いました。今後、1200回継続していく宣言をし、毎年の開催を約束しました。