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詳細説明書

1.計測回路の製作

図1.計測回路の回路図

図2.基板のデザイン(左)と部品の実装例(右)

2.筋電位の計測

昆虫のもつ筋肉でも最も大きい飛翔筋(翅を動かす筋肉)の筋電位を計測します.カイコガの胸部の背面には,背縦走筋(DLM: Dorsal longitudinal muscle)と呼ばれる巨大な翅打ち下ろし筋があります.そのため,胸部背面の中央近くに深さ5 mm 以内で電極を刺入すれば,必ず計測できます.手順は以下の通りです.

図3.使用する電極(左)と,カイコガへの刺入方法

1) 背中の鱗粉を,湿らせたティッシュ等で十分にはがす(茶色いクチクラが見えるくらい).

2) 洗濯ばさみで,左右の前翅,後翅を同時にはさみ,スタンドに固定する.

3) 脚に丸めたティッシュ等を当てて休ませる.

4) 電極のリード線をテープでスタンド・洗濯ばさみに固定しながら,電極をカイコガの背部から近づける(図3).

5)グラウンド電極を腹部に深く刺入する(先端を斜めに切っておく).

6)右下図・次項を参照して記録電極を深さ2mm程度刺入する(事前に深さの目印をつけておく).

7)電極のコネクタを計測回路に接続,出力端子をオシロスコープ等へ接続.

8)計測回路のスイッチを入れ,オシロスコープ等で波形を観察.

9)脚に持たせたティッシュを取り除き,周期的な筋電位を観察する(図4).

図4.計測の様子(左)とDLMの筋電位

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