世界遺産登録20周年記念シンポジウム

詳細チラシ

セッションタイトル
「紀伊山地に育まれた精神性と  自然から世界に伝えること」

日 時:7月12日(金)15:30-18:00
会 場:高野山大学黎明館

キーワード
空海、南方熊楠、利他、科学技術

オーガナイザー
神﨑亮平 東京大学名誉教授、東京大学先端科学技術研究センターシニアリサーチフェロー、先端アートデザイン分野研究統括

「1200年後の世界」との関わり
世界では今、人類がもたらした環境問題をはじめとするさまざまな課題、さらには戦争や紛争も絶えない状況が続いています。“いのち”やそれをはぐくむ自然の大切さはもちろんのことですが、あらためてその大切さや人本来の“こころ”に気づく人々を増やし、1200年後まで“いのち”の大切さを発信し続けていくことが、安寧でWell-beingな社会を実現していくうえで必要不可欠です。

セッションの概要
「高野山会議」は、科学者、芸術家、哲学者、宗教家をはじめ多くの皆さんが集い、1200年後の先々までをも見据え、人としてよりよい在り方を、自然を通して体感し、対話を通して考え、そしてそれを実践し実現していこうとする「場」です。世界では今、人類がもたらした環境問題をはじめとするさまざまな課題、さらには戦争や紛争も絶えない状況が続いています。“いのち”やそれをはぐくむ“自然”の大切さはもちろんのことですが、あらためてその大切さや人本来の“こころ”に気づく人々を増やし、1200年後まで“いのち”や”利他”のこころの大切さを発信し続けていくことが、安寧でWell-beingな社会を実現していくうえで必要不可欠です。
先端研・先端アートデザイン分野では、高野山大学と連携して、「マンダラプロジェクト」を立ち上げ、1200年前に空海が体得した自然とつながり、“いのち”や”利他”のこころの大切さを感じ、人本来の「こころ」に気づく世界観を、自然(宇宙)との触れ合いや、科学者、芸術家、哲学者、宗教家、そしてさまざまな皆さんとの対話や議論を通して形にして、多くの皆さんにそのような世界観に触れていただき、“いのち”や”利他”のこころの大切さを体感いただく試みを進めています。
本年2024年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて20周年を迎えたこともあり、このセッションでは、“いのち”や”利他”のこころの大切さを、紀伊山地に育まれた精神性と自然から再考し、世界に伝えることの意義について、弘法大師空海や南方熊楠の視座についてのお話(松長潤慶、藤原和博、田村義也)、またこのような精神性をはぐくむ地元の首長(真砂充敏田辺市長、平野嘉也高野町長)のお話、そしてとパネルディスカッションを通して、みなさんと考えてみたいと思います。

登壇者
松長潤慶 高野山大学 副学長・教授
藤原和博 富士通株式会社 デザインセンタ クリエイティブディレクター/チーフデザイナー
田村義也 南方熊楠顕彰会 常任理事・学術部長、成城大学 非常勤講師
真砂充敏 田辺市長
平野嘉也 高野町長

スケジュール
オープニングトーク 
15:30-15:40 岸本周平 和歌山県知事
イントロダクション
15:40-15:55  神﨑亮平 東京大学
講演 
15:55-16:10 松長潤慶 高野山大学   「空海の視座 ー重重帝網ー」
16:10-16:25 藤原和博 富士通株式会社 「瞑想の先に見る景色、こころ」
16:25-16:40 田村義也 南方熊楠顕彰会  「南方熊楠と紀伊半島の聖地:那智山・玉置山・高野山」
16:40-16:55 真砂充敏 田辺市長    「熊野の普遍的価値」
16:55-17:10 平野嘉也 高野町長    「未来は教育から」
パネルディスカッション
17:15-18:00 (全員)

登壇者

神﨑 亮平 東京大学 名誉教授、東京大学先端科学技術研究センター シニアリサーチフェロー

筑波大教授を経て2004年より東大教授。2006年より先端科学技術研究センター教授。2016年から2022年まで同所長。生物知能を工学に活用する研究に従事。橋本市文化賞(2015),和歌山県文化賞(2020)、ミラノビコッカ大学名誉学位(2019)。2021年より「高野山会議」を主宰。2024年4月より橋本市岡潔数学体験館名誉館長。JSTさきがけ「生体多感覚システム」研究総括。日本のSTEAM教育を推進するJST次世代人材育成事業STELLA「次世代科学技術チャレンジプログラム」推進委員長を務める。

松長 潤慶 高野山大学 副学長・教授

1996年に高野山大学文学研究科博士後期課程密教学専攻終了(博士(密教学))。高野山大学文学部密教学科准教授(2015年 )を経て、2018年に高野山大学文学部密教学科教授。2021年より高野山大学副学長。専門は密教学、密教図像学。

藤原 和博 富士通株式会社 デザインセンタ クリエイティブディレクター/チーフデザイナー

1995年東北工業大学工業意匠学科卒業。2022年より先端アート講座研究員。2001年より富士通株式会社で自社製品のプロダクトデザイン、ブランディングを行い、その後、クライアント企業向けの新規事業創出支援、VRコンテンツ開発、クラウドファンディングによるテストマーケティング、デザイン思考の社内浸透などを手掛ける。現在はどうしたらITテクノロジーがこの世界の調和に貢献できるのかを探求中。

田村 義也 南方熊楠顕彰会 常任理事・学術部長、成城大学 非常勤講師

専攻:比較文学比較文化、成城大学非常勤講師、南方熊楠顕彰会常任理事・学術部長、南方熊楠研究会運営委員、国立科学博物館2017年度企画展「南方熊楠?100年早かった智の人」企画委員、共編著『南方熊楠大事典』、国立科学博物館2017年度企画展「南方熊楠?100年早かった智の人」企画委員をはじめ、各地で講演を行うなど南方熊楠研究の最前線で熊楠の魅力を発信している。共編著に『南方熊楠大事典』(勉誠出版、2012年)他。

真砂 充敏 田辺市長

1957年、和歌山県生まれ。和歌山県中辺路町議会議員を経て1996年7月、中辺路町長に就任。2005年5月、新制田辺市(旧制田辺市・龍神村・中辺路町・大塔村・本宮町の合併により発足)の初代市長に就任、現在5期目。世界遺産の巡礼道である熊野古道とサンティア・ゴ・デコンポステーラとの共通巡礼等、熊野の精神性を大切にした交流の仕組みづくりや、SDGs自治体モデル事業「1000年をつなぐ⽥辺市熊野SDGsプロジェクト」はじめ「たなべ未来創造塾」など次世代に繋ぐ事業を展開している。

平野 嘉也 高野町長

和歌山県高野町出身。2014年5月、高野町長に初当選。現在2期目。町長就任前には薬剤師として勤務する傍ら、様々な社会貢献活動に従事。町長就任後は2017年から和歌山県伊都郡町村会長を2期務めた。近年では、「農業遺産」「日本遺産」認定活動や、公立学校では珍しい9年間の英語教育プログラムを導入。「訪れる人に感動を、住む人に満足を」を公約として小規模多機能診療所の充実や林間学校や企業研修、学会等の積極的な誘致活動に取り組んでいる。